卵を立てる

 

真実のオリジナリティよりも、有名である方が、世間には認知されるのだという教訓になるかも知れませんね。

私はつい最近知ったお話ですが、巷ではよく知られているお話なのでしょうか。

 

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「人がやった後では何でも簡単。」

そのことを言い表して「コロンブスの卵」と言いますね。

 

 

「コロンブスの卵」にまつわるお話です。

 

 

おさらいしますと、コロンブスの偉業を祝う宴でのお話。

 

やはり、彼を妬む者もいます。

「ただ西へ向かって進めばよいのだから、コロンブスのしたことは誰でも出来ることじゃないか。」

大したことないと言われました。

コロンブスはそれに応えました。

「ここにある卵を、このテーブルの上に立ててみなさい。」

それを聞いた人々は、いろいろと試みましたが、誰も出来ません。

コロンブスは、おもむろに卵の端をテーブルにぶつけて、立ててみせました。

当然、人々は「それはインチキだ。そんなやり方だったら誰でもできる」と非難します。

「その通りです。誰かがやるのを見た後なら誰でもできます。

しかし、あなた方は誰一人としてそれを思いつかなかったでしょう。

私より先に、西へ向かう事を思いついた人がこの中にいるのですか。」

 

このお話は、イタリアのベンゾーニという伝記作家が創作したものだといいます。

オチといい、いかにも日本人が好みそうなお話ですね。

ちなみに、このお話の認知度も日本と外国とでは温度差があるそうです。

 

 

実は、このお話の元になるようなお話がイタリアにあります。

 

建築家フィリッポ・ブルネレスキのお話です。

 

 

16世紀に、ドーム寺院を建築するという計画がありました。

誰に建築させるかという会合の時に、ブルネレスキは自分の図面も模型も見せずに

「私に建築させてください」と提案しました。

完成の青写真を確かめることもできませんから、他の建築家たちが反対するのも無理はありません。

そこで彼は「大理石の上に卵を立てることができた人に任せてはどうか」と提案しました。

全員挑戦しましたが、立てることができた者はいませんでした。

ブルネレスキは卵の底を潰して立てました。

そして、「最初にやるのが難しいのです。もし図面を見せたらあなた達は真似をするでしょう。」と言い放ちました。

 

 

正確さにこだわるのなら「コロンブスの卵」と言われているのは

きっと「ブルネレスキの卵」と言うべきなんでしょうね。

 

 

実は、このお話も作り話だということですから

「最初に始める者の発想のあり方」

について強調したい人々の支持を得たお話から派生したものなのでしょう。

 

 

ここから先は、半ば強引に自分の田んぼに水を引いてきます。

マジシャンという人種は、こういうお話があると宿題が見つかってワクワクします。

 

 

「現象」は提示されたのですから

それを解決する方法についてアイデアをめぐらせるのです。

 

ただし、大抵の人は「インチキしてもなあ。」と思いますよね。

「文句をつけられるようじゃ、達成したことにはならないだろ。」

「正々堂々としなければ、自慢なんかできない。」

 

実は、底が丸い卵は立たないという固定観念を、私たちが持っていることも問題なのです。

卵は丸い → 丸いのは転がる → 立つわけがないという前提です。

冗談ではなく、集中力と根気があれば卵は立ちます。

 

 

マジックとは違いますが、面白いブログを見つけました。

私が言わんとしていることを証明してくれています。

 

石丸謙二郎オフィシャルブログ「卵を立ててみなさい

 

 

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