高齢者の白衣高血圧の割合  文献から

臨床研究というのは、ある疑問に対して答えを導き出すためにあるのは当然です。

しかし、その意図とは違ったことがわかるということがありますね。

そのうちのひとつに数えられるような研究だと思います。

 

Does white coat hypertension require treatment over age 80?

: Results of the hypertension in the very elderly trial ambulatory blood pressure side project.

Hypertension.  2013; 61(1):89-94 (ISSN: 1524-4563)

 

タイトルは「80歳以上の方の白衣高血圧を治療すべきかどうか?」ですが

残念ながらその疑問に対して結論付けるには早計過ぎるようです。

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白衣高血圧というのは

診察室の平均が140/90mmHg以上であること。

かつ家庭血圧が135/85mmHg未満であること。

または24時間自由行動下血圧測定(ABPM)での平均24時間血圧が130/80mmHg未満のもの。

と定義されています。

 

白衣高血圧の方というのは、比較的高齢の方に多いとされていました。

また、予後に関してはまだ分かっていないことが多く、治療方針に関しても混在しているというのが実情なのです。

ある方は、血圧を測定する環境要因が強いのだとして、治療すべきではないという意見です。

また、別の方は、白衣高血圧といえども何か無視できないものがあるに違いないという意見です。

 

この研究では、24時間自由行動下血圧(ABPM)を測定した被験者284例の中から、白衣高血圧と診断された被験者を特定しました。

そして、治療群とプラセボ群のABPMや診察室での血圧の差などについて調べました。

 

結果ですが、白衣高血圧の割合は、日中の平均ABPM値で判定した場合は50%、朝 (8:00から12:00)の平均ABPM値で判定した場合は38%でした。

 

そして、収縮期/拡張期血圧値のプラセボ群と治療群との差ですが

朝の平均ABPM値が6/5mmHg、平均ABPM値が8/5mmHg、診察室での平均血圧値は13/5mmHgでした。

 

実はこの研究では、イベント発症数があまりにも少ないために

高齢者の白衣高血圧に対する治療が心血管予後を改善できるかについて検証できませんでした。

 

しかし、高齢者の白衣高血圧は治療をする必要がないかというと、そう簡単に結論付けられないのです。

 

なぜなら、HYVET研究の全体の解析では、治療の効果がみられていたからです。

血圧のコントロールを行えば、死亡リスクを低く、脳卒中の予防が可能だということを明らかにしていました。

そのうちの50%に白衣高血圧が含まれていたわけですから、話は単純ではないのです。

 

結局のところ、その方々の生活習慣や他の内科疾患、そういう全体を診療しながら決定していくしかないということに行き着くのだと思います。

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それにしても、80歳以上の高齢者の方々では

50%もの方々が白衣高血圧だったという事実は受け止めないといけないですね。

 

 

 

 

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