「ブルーライト問題」というものがあります。
パソコンのディスプレイやスマホの画面にLEDが普及するにつれて、その影響が強く言われるようになってきています。
ご存知のように可視光線の色にはそれぞれ波長があります。
長い波長と短い波長では屈折率が違うために、可視光線はプリズムを通すと波長にしたがって分かれていきます。
虹は、太陽光が分光された自然現象ですし、すべての光を含むので、赤から紫までまんべんなく同じ量で注いでいます。
一般的な白色LEDはというと、380~465mmの波長で、それはちょうど青色ということになるそうです。
分光分布にすると、ちょうどそのあたりだけ大きな山になっています。
白色に見えていて、実は青い光(ブルーライト)を多く含んでいるらしいのです。
ブルーライトは
「散乱しやすい光」であること
「高エネルギー」であること
の2つが特徴であるといわれています。
人体に与える影響は、これからの研究課題ではっきりとしたことはまだわかっていませんが
生活していくうえでサーカディアンリズム(1日のリズム)を狂わせるだろうということや
網膜や調節機能に悪影響を与えるのではないかと言われています。
夜に明るい光があふれているというのは、人類の長い歴史の中でも、日本では蛍光灯が普及して50年。
LEDができて20年の間の出来事なのです。
ブルーライトに限ってのことではありませんが
2012年には、アメリカ医師会が夜間照明の健康への影響について声明を発表しています。
2012.6.20 American Medical Association AMA Adopts New Public Health Policies at Annual Meeting
「夜間照明の健康への悪影響」
夜間、過剰な照明にさらされることは、睡眠障害を悪化させること、また車の運転にも支障を引き起こす可能性があります。
サーカディアンリズムへの影響を最小限にするための照明技術を開発しなければなりませんし、夜間の照明に関するリスクについての研究が進むことを期待します。
Alexander Ding氏は
「自然界は本来24時間の中で明暗を繰り返しています。
そのサイクルがサーカディアンリズムを正常に保ち、体内のバランスを保っています。
夜間に大量の照明にさらされると、これらのバランスが乱されて、
健康に深刻な悪影響を及ぼしたりする可能性があります。」
と述べています。
医療従事者をはじめ、運転手など、夜勤のあるタイムシフトワーカーにも、その影響はもちろんあるでしょう。
夜寝る前にスマホの画面を見たり、パソコンで作業をしている方は
少し自分の生活を修正した方が良いかも知れません。
また、最近眠りが浅いなあと思う方がいたら、もしかしたら「ブルーライト」の影響を考えた方がいいかも知れませんね。