診察室の壁に「アンパンマン」の絵が飾ってあります。
これは大学の先輩、まちだ小児科の町田孝先生から開院祝いの時にいただいたものです。
「小児科でないのにどうかと思ったんだけど…。」
という町田先生のお心づかいもうれしく、これは絶対に日ごろの診療の場に飾らせていただきたいと思いました。
私は原作者のやなせ・たかし先生の大ファンで
青春時代、月刊誌の「詩とメルヘン」は許す限り手元においていました。
「詩とメルヘン」は「オーディション・システム・マガジン」と銘打たれて、特集のページのほかに、詩やイラストの投稿作品を載せていました。
それに憧れて私も真似ごとの詩を書いてみたり、イラストを描いてみたり。
白状すれば、少しだけ投稿するつもりもあったのですが、すぐに無謀だと思って断念しました。
「詩とメルヘン」ゆかりのイラストレーターを、ざっと思いつくだけ並べても
宇野亜喜良
葉祥明
小谷智子
味戸ケイコ
東逸子
おおた 慶文
etc…。
この顔ぶれを見るだけでも、やなせ編集長の偉業がわかります。
そうです。もちろん、やなせ・たかし先生ご自身もそうです。
そういえばもう過ぎてしまいましたが、2月6日はやなせ先生の誕生日でした。
今年で94歳になられたのでしょうか。
素晴らしいことです。
おめでとうございます。
やなせ・たかし先生の言葉が胸に響きます。
「自分はまったく傷つかないままで、正義を行うことは非常に難しい」
これはよく耳にする言葉です。
アンパンマンが自分の顔の一部をちぎって困っている人に与えるという行為について話す機会が多いからでしょうか。
そして、こう続きます。
「アンパンマンは“世界最弱”のヒーロー。
ちょっと汚れたり、雨にぬれただけでも、ジャムおじさんに助けを求める。
でも、いざというときには、自分の顔をちぎって食べてもらう。
そして戦います。
それは私たちも同じ。みんな弱いけれど、そうせずにはいられないときもあるのです。」
そして、
「なんのために生まれて何をして生きるのか。
これはアンパンマンのテーマソングであり、ぼくの人生のテーマソングです。」
「アンパンマンマーチ」を口ずさんでいると、不覚にも、ふいに涙が流れることがあります。
まさしく、人生の応援歌ですよね。
メロディがなくても、詩を読むだけで励まされます。