昔からギリシア神話が好きで、よく読んでいました。
神々がくりひろげる愛憎劇やその戦いのドラマ、人間世界が翻弄される物語は、文句なく抜群に面白いと思います。
人間の存在など及ばない「絶対の力」としての神々だからこそ、欲望や煩悩が極端に誇張されたモデルとして、現代の道徳観念を超えたスケールが痛快です。
天界、人間界、冥界に分かれたギリシア人の世界観は、多くの絵画がそうであるように
創造性が豊かでカラフルなイメージが鮮やかに広がります。
本当に感嘆するばかりです。
今回は、ギリシア神話と腎臓内科が交わるお話を紹介します。
(ムリヤリ? はっきり言ってしまえば、腎臓科のトリビア・ネタです。)
冬の代表的な星座でもあるオリオン座にまつわるお話。
オリオン(orion)の名前は、「オウロン/オウリア」(ouron)に由来するといわれています。
「オウロン」(ouron)はギリシア語で、ずばり「尿」という意味なのです。
また別に、英語で尿をurineといいますが、これは神々の祖 天空神ウラノス(Ouranos)に由来するという説もあります。
とにかく言えることは、ギリシア時代は、尿をはじめ、血液、精液の3つの液体を
豊穣のシンボルとしていて、神の名に等しいぐらい大切にしていたということです。
なぜ「尿」が名前の由来になったのかには理由があります。
「小便小僧」は名前そのものに「小便」とついていますが
それは彼が小便し続けているからそう呼ばれているので
確か「ジュリアン坊や」という立派な名前があります
オリオンは、ボイオティアのヒュリエウス王が、「尿をかけた牡牛の皮から生まれた」という伝説があるのです。
尿は魔力の象徴でもあったわけです。
この視点は腎臓内科医にとっては感心するものです。
「尿は大切。生命力を反映する。」
ギリシア人はよくわかっておいでです。
さて、オリオンは巨人に成長しました。大きすぎるほど大きくなりました。
彼は狩りの名手で、美青年であったと言われています。
また、その巨大な体躯のおかげで、海を歩いてわたっても頭をぬらすこともなく歩くことも可能であったそうです。
オリオンにまつわるお話はほかに任せることにしますね。
冬の星座のオリオン座の3つの星を見つけたら
オリオンビールだけでなく
オリオンが尿と関係しているのだということを、
思い出してしまったのなら、佐久田の思惑通りの展開です。