個人的にはやはり残念に思っているのでしょうか。複雑な感じの報告が発表されていました。
緑茶飲料(あるいは、緑茶からなる製品)は、体重を減らそうとか、太らないように維持するとか、そういう効果はほとんどないんだよという調査報告です。
緑茶飲料に関しては、佐久田自身、実を言うとダイエットの宣伝文句に「本当かなあ」と思ってはいたものの
でも、「どうせ飲むならスポーツドリンクよりはマシだろう」と思って商品を選んでいた傾向があります。
自分も少しは健康に注意しているんだよという気になって、それが自己満足だろうとなんだろうと気持ちが良かったのです。
でも、ここはきちんとはっきりさせた方が良い領域であると思います。
(心のどこかに「信じていたい」という気持ちがあるのかも。)
報告はコクラン・システマティックレビューからです。
コクラン・システマティックレビューというのは、EBM(根拠に基く医療)の考え方を基本に、信頼性の高い研究を集めて最良の治療法を提示しようとするものです。
医療者にとっては「コクラン・ライブラリに載っているのなら間違いはないな」と思うほど、信頼度が高いものです。
Green tea for weight loss and weight maintenance in overweight or obese adults.
Cochrane Database Syst Rev. 2012 Dec 12;12:CD008650. doi: 10.1002/14651858.CD008650.pub2. (Review)
だいたいの内容はこうです。
緑茶飲料は、宣伝文句の通り、体重を減らしたり維持したりするものとして知られています。
緑茶に含まれるカテキンとカフェインがエネルギー代謝を増やす働きがあると信じられているからです。
それが減量に役立つものとされていました。
今回の調査の目的は、緑茶飲料(あるいは、緑茶からなる製品)が
肥満の成人にとって、減量に有効なのか、または体重維持のために有効なのかを評価することでした。
データベースを検索して、データを収集し分析していて
面白いのは、日本で行われた研究と日本国外で行われた研究を分けて結果を出している点です。
日本では飲む量も違いますし、国外のデータとごちゃまぜにしたら、分析できませんからね。
研究の長さは12~13週間。
まず体重減少について
日本以外 | -0.04Kg (532名の参加) |
日本 | -0.2~-3.5 Kg(1030名) |
次にBMIの変化
日本以外 | -0.2 Kg/m2 (222名) |
日本 | -1.3 Kg/m2 (1030名) |
腹囲
日本以外 | -0.2センチ(404名) |
日本 | +1センチ~-3.3センチ |
レビューアーの結論として
体重減少はあるようだが、非常に減少幅が小さくて、統計的も効果があるとはいえず、臨床的にも重要ではないだろう
とのことでした。
緑茶飲料に過大な期待をしてはいけませんよというお話かな。
いずれにせよ、地道に食事療法&運動をしないといけないということでしょうね。
そうは言っても、緑茶飲料は嗜好品として佐久田は好きなのですけれども。
せめて、これで値段が安くなってくれれば良いです。