インフルエンザワクチンに関する質問の中に、よくあるものとして
「私、夏にインフルエンザかかったので、もう免疫ついてますよね。ワクチンやらなくても大丈夫ですよね。」
というのがあります。
麻疹や風疹、おたふくかぜならそうかも知れませんね。
けれども、インフルエンザはウイルスの型がいくつも存在していて、昨年流行したインフルエンザの型とは種類が違ってしまっています。
昨年インフルエンザにかかった方も、夏にかかった方も、ワクチンは必要なのです。
少しそれに関連した報告です。
国立感染症研究所が、インフルエンザ感受性調査の第2報(2012年12月27日現在)を公表しました。
これは、インフルエンザの本格的な流行が始まる前に、インフルエンザに対して人が免疫を持っているのかどうかを把握しようとするものです。
年齢別に調査されて、免疫の低い年齢層にはワクチン接種を強くすすめるインフルエンザ対策の資料となります。
・インフルエンザ抗体保有状況 -2012年速報第2報- (2012年12月27日現在)
調査したインフルエンザの種類の中で、最も免疫が低かったのはB型でした。
特に10歳未満および50歳以上の各年齢層は25%未満で比較的低い水準でした。
現在使われているインフルエンザワクチンは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型、B型(ビクトリア系統あるいは山形系統)の3つのウイルスがワクチン株として用いられているそうです。
感染研は、コメントの中で、全国的にインフルエンザの流行期に入った点を指摘しています。
そして「まだ予防接種を受けていない人、特に本調査において抗体保有率が低かった年齢層においては、ワクチン接種などの早めの予防対策が望まれる」と求めています。
ワクチンは接種してからすぐに効果が得られるものではありません。
効果が現れるのは、2~3週間後になってきますので、早めにワクチン接種をしましょう。
インフルエンザの流行期に接種しても、実は残念ながら遅いのです。
ワクチン接種を希望する方はぜひ早めに相談ください。
ちなみに、これまで報告されている今季のインフルエンザはA香港型(AH3亜型)が多いとのことです。
このウイルスは、小児でインフルエンザ脳症の発生頻度が他の亜型や型に比べて高いことが報告されています。
冬休みもあけて学校が始まりました。
外出後のうがい、手洗いをしましょう。咳エチケットも習慣づけて、予防を徹底しましょう。